カバノキ科ハシバミ属の染色体基本数の訂正と進化の考察
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概要
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ハシバミ属は約15種からなり,その基本染色体数はWoodworthが11種でn=14を報告して以来,これまでx=14と考えられてきた。しかし,Woodworth以後の研究ではほとんどの種についてそれとは異なる染色体数が報告されている。この研究では,これまで染色体数の観察が行われていなかったツノハシバミを含む3種の核形態を初めて明らかにすると共に,これまで本属で報告されている染色体数を再検討した。そこで,これまでの報告のレビューと新たに我々自身が3種について観察した結果から,ハシバミ属の染色体基本数はx=14ではなくx=11であると訂正することにした。また,matK遺伝子分析により得られたカバノキ科の系統関係から,属の染色体基本数の進化を検討した。ハシバミ属のx=11は固有派生形質であることが判った。
- 日本植物分類学会の論文
- 1999-02-28
著者
-
荻沼 一男
高知女子大学保育短期大学部
-
戸部 博
京都大学総合人間学部
-
荻沼 一男
高知女子大学
-
戸部 博
京都大学
-
加藤 英寿
京都大学大学院人間・環境学研究科
-
加藤 英寿
東京都立大学理学部牧野標本館
-
加藤 英寿
東京都立大・理
-
荻沼 一男
高知女子大・家政・生活理学
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