ダイジョ(D.alata L.)とナガイモ(D.opposita THUNB.)およびジネンジョ(D.japonica THUNB.)における諸形質の比較
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概要
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本研究はダイジョ(D.alata)とナガイモ(D.opposita)およびジネンジョ(D.japonica)の生態的形質の比較を行い, それぞれの種および系統の特徴を明らかにすることを目的とした.ダイジョ, ナガイモおよびジネンジョの鹿児島における生育期間は, ダイジョとジネンジョが長く, ナガイモが短かった.ダイジョの早生系統では8月前後に塊茎が肥大生長を開始し, 12月上旬にほぼ成熟したが, 中生や晩生系統では肥大生長の開始期が遅く, 収穫時まで生長を続けた.そして, 南九州在来の極早生系統は, 塊茎の肥大生長の開始期および成熟期が上述の早生系統に比べて, さらに早い特性を有したことから, 極早生および早生系統を選抜・導入することにより, ダイジョ栽培を西南暖地以外の地域まで拡大できるものと推察された.ナガイモの茎葉および塊茎の生長は, 系統群によって異なり, ナガイモ群が最も速く, 次にイチョウイモ群, ツクネイモ群の順であった.ナガイモおよびジネンジョの塊茎は, 出芽後まもなく茎の基部に形成され, 形成と同時に生長を開始した.しかし, ツクネイモ群では形成後しばらくの停滞期間を経て, 旺盛な肥大生長を開始した.そして, ツクネイモ群における塊茎の肥大生長の停滞期間は1カ月程度であり, 塊茎が最大重量に達する時期はナガイモ群およびイチョウイモ群よりも約1カ月遅れたことから, 塊茎の肥大生長の停滞期間がナガイモの3群の栽培期間に大きな影響を及ぼしているものと推定された.さらに, 本実験において, ツクネイモ群の塊茎の肥大生長パターンは, ダイジョの極早生系統の生長パターンに類似するという, 興味深い現象が認められ, この現象について生理学的な検討を行っている.
- 日本熱帯農業学会の論文
- 1999-09-01
著者
-
志和地 弘信
鹿児島大学
-
遠城 道雄
鹿児島大・農
-
林 満
熱帯作物学研究室
-
林 満
鹿児島大学
-
遠城 道雄
鹿児島大学農学部
-
志和地 弘信
International Institute of Tropical Agriculture
-
林 満
鹿児島大学農学部
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