Dioscorea japonica Thunb.で高生産されYam Viscous Polysaccharide(YVP)画分に含まれるDJ1βタンパク質の精製
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概要
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かるかんの品質管理には,原料となるジネンジョ(D. japonica Thunb.)の品質が正しく評価されることが非常に重要である。そこで現場での品質管理を目的として,タンパク質レベルでの品質管理に着目した。ヤマノイモ類のタンパク質を抽出して電気泳動したところ,ジネンジョサンプルで分子量約12kDaに今回使用したヤマノイモ類全てに発現しているタンパク質(DJ1α)と分子量約15kDaにジネンジョだけに多く発現しているタンパク質(DJ1β)を見つけた。また,ジネンジョの粘質多糖画分YVPを精製し,電気泳動したところ,分子量約12kDaと約15kDaに2つの主要なタンパク質を見つけた。このタンパク質のN末端配列を決定したところ,分子量約12kDaと約15kDaのバンドはそれぞれDJ1αとDJ1βに一致した。この結果は,粘りに特徴があるジネンジョの品質管理がDJ1βをマーカーとすることによって可能であることを示唆している。我々はこの粘質多糖画分に含まれるジネンジョに特徴的なタンパク質DJ1βを部分精製した。その結果, DJ1βはDJ1αとヘテロなサブユニットを形成していることが推察された。
- 日本応用糖質科学会の論文
- 2014-05-20
著者
-
石橋 松二郎
鹿児島大学農学部応用分子微生物学研究室
-
徳永 正雄
鹿児島大学農学部応用分子微生物学研究室
-
遠城 道雄
鹿児島大学農学部
-
田中 玲子
鹿児島大学水産学部
-
田中 玲子
鹿児島大学農学部
-
大内山 諭佳
合名会社明石屋菓子店
-
坂部 猛仁
鹿児島大学農学部
-
大林 朋子
鹿児島大学農学部
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