聴覚刺激受聴時における視覚・運動連携に対する抑制効果 : 視覚的作業の難易度操作の影響

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車両運転時における携帯電話の利用に対して法的規制が開始されたが,音声会話などによる注意欠落の影響と、片手運転などの運動系による影響とが必ずしも定量的な評価を受けていないのが現実である。本研究では、視覚・運動連携に対する聴覚刺激の抑制効果について、視覚的作業の難易度と聴覚的作業の種類を変化させる事により検討した。実験では、聴覚刺激と視覚刺激を同時に被験者に与え、それら二つの刺激に対する課題を同時に遂行する二重課題を行いた。視覚・運動連携のための作業は、車両運転を単純化したディスプレイ上の円をマウスによりトレースする作業を用い、聴覚的作業は、純音の信号検出と弁別、さらに記憶や思考などが必要とされる計算を用いている。実験の結果、視覚的作業は聴覚的作業の影響を受けパフォーマンスが低下する事が確認された。また、弁別作業の方が検出作業よりも視覚的作業により強い影響を与え、視覚的作業・は応答時において最もパフォーマンスが低下する。さらに、記憶や思考を用いる聴覚的作業において視覚的作業は注意分割の影響を大きく受ける。最後に、視覚的作業の難易度があまり高くないほうが聴覚刺激による注意分割の影響を受けやすい事が明らかになった。これにより、危険性が低く日常的な運転操作を行っている時の方が音による影響を強く受ける事が予測される。
社団法人電子情報通信学会の論文
2002-08-16

聴覚刺激受聴時における視覚・運動連携に対する抑制効果 : 視覚的作業の難易度操作の影響

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