マルチモーダル情報サービスシステム : ハワイ・ボイス・ブラウザ
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概要
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ハードウェア技術の進歩によって、高解像度ビットマップディスプレイ・高性能CPU・大容量ハードディスクなどの低価格化が進み、マルチメディアの時代がやってきた。マルチメディアは、コンピュータに生活感や親近感を与え、人々とコンピュータとの関わりをより深くする。このことは、ヒューマンインタフェースに対して重要な意味をもち、ヒューマンインタフェースはその有り方が問い直されている。我々は、マルチメディア技術を利用し、従来システムにはない生活感や親近感の実現を目指した情報サービスシステム「ハワイ・ボイス・ブラウザ」を開発した。ハワイ・ボイス・ブラウザは、ツアー情報を対象とした情報サービスシステムである。ハワイ・ボイス・ブラウザでは、利用者は音声を用いて条件を入力できるので、多くのデータにランダムにアクセスできる。また、検索結果は常になんらかの画像としてディスプレイに表示されるので、システムとの対話が地についたものになる。発話時には単語ごとにポーズ(0.3秒程度)をとる必要がある等の制限があるものの、従来システムにはみられない生活感や親近感のある情報サービスを実現している。ハワイ・ボイス・ブラウザの大きな特徴として、以下の2点が挙げられる。・典型例に基づく会話管理 情報サービスにおけるホストとクライアントとの人間どうしの会話は、ある典型例にもとづいて行なわれる。クライアントの問い合わせに対し、ホストは通常、手頃な典型例を一つ提案する。クライアントは、その典型例に対し注文を付ける。すると、ホストは、その注文を満たし、他の条件はなるべく変わらないような別の典型例を提案する。 ハワイ・ボイス・ブラウザではユーザとの会話を、上のように、典型例に基づいて進める。典型例は常にディスプレイに表示される。・多重解釈 実際の問い合わせの多くはキーワードベースの解釈で充分である。さらに、キーワードベースの解釈で充分な問い合わせ程、非文法的になる傾向があり、厳密な統語処理を行なえば、かえってシステムのロバスト性を損なうことになる。そこで、ハワイ・ボイス・ブラウザでは、レベルの異なる複数の解釈ルーチンを用意し、問い合わせに応じて適切なレベルの解釈ルーチンを選択して解釈する。
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 1994-09-26
著者
-
西村 健士
日本電気株式会社サービスプラットフォーム研究所
-
島津 秀雄
Nec C&cメディア研究所
-
西村 健士
NEC情報メディア研究所
-
島津 秀雄
NEC情報メディア研究所
-
有田 正剛
日本電気(株)情報メディア研究所
-
有田 正剛
NEC情報メディア研究所
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