カーボンナノチューブ成長時におけるアーク放電プラズマの粒子密度の電極軸方向分布
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概要
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ナノチューブの成長機構を明らかにするため, 不活性ガスにHeを用い炭素電極によるアーク放電プラズマの発光の空間分布およびそのガス圧力依存性を測定した. 波長657.8nmと723.6nmのC^+による発光強度から, 2線強度比較法によりプラズマ温度を求めた. プラズマ温度は陽極から陰極に近づくに従い上昇し, ガス圧力の増加と共に降下した. ナノチューブの成長する陰極近傍の温度は, 5500〜6000Kであった. 理論計算から求めた粒子密度-温度特性より, ナノチューブの成長する陰極付近には, 主に炭素の単量体Cが存在すると推察された. 発光強度と温度分布から求めたCの粒子密度は, 陽極から陰極に近づくに従い減少し, 陽極から陰極に向けてCが拡散によって輸送されていることを示した. 陰極付近のCの拡散速度はガス圧力の増加と共に増加し, 陰極へのCの供給速度が増加していると考えられる. Cと同様の方法で求めたC^+の粒子密度は, 陽極から陰極に近づくに従い減少し, 陽極から陰極へのドリフト以外に拡散の存在を示した. また, ガス圧力の増加と共にその粒子密度も高くなった. このためアーク放電中でのナノチューブの成長には, 炭素の単量体の密度と供給速度が重要であると考えられる.
- 1997-07-25
著者
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秋田 成司
大阪府立大
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中山 喜萬
阪大工
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秋田 成司
阪府大工
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鈴木 悟
大阪府立大学工学部電子物理工学科
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中山 喜萬
大阪府立大学工学部物理工学科
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島田 善仁
大阪府立大学工学部電子物理工学科
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中山 喜萬
大阪府立大学大学院工学研究科
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