多字種文字認識を高速化するための探索空間の構造化法に対する改良(文字とドキュメントの認識・理解)

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本稿は多字種文字認識を高速化するための探索空間の構造化法に対する改良を提案する.探索空間の構造化の2層化への拡張,候補選択アルゴリズムの改良,大分類での第一位候補に依存した候補選択,からなる.探索空間の2層化では,すべてのプロトタイプをクラスタリングして各クラスタの中心をピボットに選択し,さらに,これらピボットのすべてをクラスタリングして各クラスタ(上位クラスタ)の中心を上位ピボットとして選択する.入力パタンはすべての上位ピボットと比べられ,それに近い上位ピボットの代表する上位クラスタが選択される.そして,入力パタンは選択された上位クラスタのなかのピボットと比べられ,それに近いピボットが選択され,そのピボットが代表するクラスタに含まれるプロトタイプが認識候補になる.したがって,候補となるプロトタイプは大幅に削減される.また,二つの特徴を持つ候補選択アルゴリズムを統合する.さらに,大分類を行う際,第一位候補は入力パタンが探索空間のどこに位置するかの情報を提供することから,第一位候補に依存した候補選択を行うことにより,正解候補を高い確率で含んで,かつ,候補数を少なくすることができる.これらの改良を大分類と詳細分類からなるオフライン文字認識エンジンに適用し,認識率を落すことなく,大分類の認識時間を元の時間の27.2%に削減し,すべての認識時間を元の28.3%に削減する効果を得た.
2004-02-13

多字種文字認識を高速化するための探索空間の構造化法に対する改良(文字とドキュメントの認識・理解)

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