量子コイン投げにおけるバイアスの考察 : 3状態から4状態プロトコルへの拡張
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概要
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量子コイン投げでは不正を行うプレーヤーが存在する場合,最終的な結果cにProb(c=0)≦1/2+⋴,Prob(c=1)≦1/2+⋴となるようなbias ⋴が存在する.このことに関し量子ビットコミットメントが不可能であるという証明に伴い,Lo-Chauによってbias ⋴=0となるような理想的な量子コイン投げは不可能であるという証明がなされた.しかし,より0に近いbias ⋴を含んだプロトコルの可能性はまだ残されている.このような立場から今も研究がなされている.現在biasの下限とされているのは1/(√<2>)-1/2で,Ambainisの構成したプロトコル[2]はこれに近くbias1/4である.これらは量子の状態を3つ利用して構成されたプロトコルである.そこで,本稿ではこれらのうちAmbainisの場合を4つの状態に拡張して構成し,評価する.結果として,Bobの戦略に関してはbiasが既存のものより小さくなることがいえ,Aliceの戦略に関しては,Bob側のbiasが小さくなった分だけ大きくなることがいえることがわかった.
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 2003-05-14
著者
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