ベクトル量子化法による局所視覚情報の方向性抽出

概要

論文の詳細を見る
視覚情報処理過程では, 外界から得られる視覚情報を方位選択型細胞の応答という局所的な方位情報に変換していると考えられる.その応用として, 画像をブロック分割して得られる局所画像をその方位ごとに用意された直交変換による変換する手法などが提案されている.しかしながら, 局所画像の特徴量としてこうした方位を用いることが妥当であることは実証されていない、また, 視覚系が外界からの刺激に強く関係しているにも関わらず, 方位を考慮したこれまでの画像符号化法に関する研究では, 外界刺激に相当する符号化対象画像の統計的性質と符号化性能の関連は, ほとんど調べられていない.本研究では, 外界からの視覚刺激に相当する局所画像の特徴量として, 方位が重要な役割を果たすことを明らかにした.さらに, 視覚系への局所入力情報を, ベクトル量子化によるクラスタリングを変換器の選択法として採用した視覚情報伝送モデルにより伝送した.こうした伝送モデルを用いた数値実験により, 単に視覚刺激を与えて学習させた場合, 自己組織的に様々な方位の刺激に選択的に反応する方位選択処理系が形成され, こうした処理系により外界から入力される視覚情報の伝送情報量が減少することを示した.さらに, 与えた視覚情報が正規分布に従う場合には, 水平・垂直方向のみの刺激に選択的に反応する方位選択処理系が形成されることを示した.
一般社団法人電子情報通信学会の論文
1998-12-12

ベクトル量子化法による局所視覚情報の方向性抽出

スポンサーリンク

概要

著者

関連論文

スポンサーリンク