Volterra汎関数級数によるマルチレート非線形予測符号化

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画像符号化における予測符号化は, 予測対象画素の近傍画素から予測対象画値を予測し, 予測値と真値との差である予測誤差を符号化する手法である.これまで予測符号化には, DPCMを代表とする線形予測符号化が用いられてきた.しかし, 画素値が急激に変化するエッジでは, 予測誤差が他の部分と比較して大きくなる問題がある.また, 変換符号化, ベクトル符号化などに比べ, 低いビットレート域での符号化性能が劣るため, 圧縮効率を重視した符号化法に向いていない.本論文では, エッジでの予測誤差の原因を画像に含まれる非線形性であると推測し, 画像の非線形性を検証するため, 予測モデルに非線形自己回帰モデルであるボルテラ汎関数級数モデルによる画像の非線形予測を行った.これにより, 予測精度が線形予測を上回ることを示した.更に, 非線形予測を予測符号化に応用し, 非線形予測符号化法を提案した.しかし, 原画像のサイズが大きい場合, 一定の予測誤差を維持するためには予測次数を極端に大きな値に設定しなければならず, モデルパラメータ数が増大して非現実的である.そこで予測精度を維持しつつ, 予測次数を減少させるため原画像を多重解像度分解した画像を非線形予測符号化する符号化法を提案した.提案法を実際の画像に適用し評価した結果, 低ビットレート域において, 線形予測符号化法, ウェーブレット変換符号化法と比較して, 平均符号長が約0.2〜0.4[bits]削減されることが示された.
社団法人電子情報通信学会の論文
1998-12-12

Volterra汎関数級数によるマルチレート非線形予測符号化

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