非整数分周器を用いた広帯域ディジタル位相同期ループ
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概要
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ディジタル位相同期ループ(DPLL)は,現在通信分野で広く用いられているが,従来多用されているDPLLには同期範囲は狭く,かつ引込み時間が長いという問題がある.これらの問題を克服するために,さまざまなタイプのDPLLが提案されてきたが,いずれも回路構成が複雑であり,また同期範囲の拡大に関しては飛躍的な改善がなされていない.本論文では,簡単な回路構成で,極めて広い同期範囲および高速引込みが実現可能な,非整数分周器を用いた広帯域DPLLを提案する.このDPLLでは,広い同期範囲を実現するために,非整数分周器を用いて固定高速クロックを入力周波数に応じて変化させ,周波数誤差を取り除き,また高速引込みを実現するために,周波数誤差を取り除いた後で分周器をリセットすることによって入出力信号の位相をそろえ,初期位相誤差を取り除いている.更に本システムは,従来の最も簡単な2値量子化DPLLに非整数分周器を付加するだけであるので,その構成は非常に簡単である.結果として,従来のDPLLでは入力周波数に応じてDPLLを設計する必要があったが,本DPLLでは,極めて広い初期同期範囲をもつため,従来のように入力周波数に応じてDPLLを設計する必要はなく,本DPLLの汎用性は極めて高い。
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 1995-01-25
著者
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森 真作
慶応義塾大学工学部電気工学科
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佐波 孝彦
千葉工業大学情報工学科
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佐波 孝彦
千葉工大
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佐藤 文代
慶応義塾大学理工学部電気工学科
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佐波 孝彦
慶応義塾大学理工学部電気工学科
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朴 徳圭
郵政省通信総合研究所
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朴 徳圭
牧園大学校工学部
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森 真作
慶応義塾大学
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