カラー画像を用いた実時間顔検出追跡システム

概要

論文の詳細を見る
本論文ではカラー画像による実時間顔抽出追跡システムについて紹介する。まず、肌色の分布が正規分布であると仮定して、カラー画像から肌色を抽出する。正規分布関数 (中心と共分散行列)は、顔画像から肌色部分だけを手動で切りとった肌色サンプル画像を用いて推定する。この関数によって抽出された肌色を閉領域毎に分割し, それぞれ重心と面積を計算する。もし肌色領域内部に黒目。眉毛らしき黒く小さな領域があれば, 顔であると判断する。この手法で複雑な背景から個数, 位置, サイズ, 姿勢が未知である顔の抽出が可能であり, パソコン上での実行時間は0.3秒程度である。更に、次の時刻に入力した画像について、前の画像で抽出された顔を中心としたより小さな領域で、上記の処理を施し、顔の新しい位置を見つけ、顔の追跡を行う。パソコン上での実行時間は0.166秒である。画像(320×240画素)転送の0.135秒を差し引くと、検出と追跡にはそれぞれ0.17秒と0.03秒かかる。これはパソコン上でソフトウェアのみで実時間の顔検出追跡が可能であることを示した。
社団法人電子情報通信学会の論文
1997-11-20