適応型フレーム積分を用いた移動物体抽出

概要

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画像中の移動物体を認識するには,まず移動物体を抽出し,その概形・特徴点・速度などの移動物体のさまざまな情報を検出する必要がある.その移動物体の抽出の際,従来のようにフレーム間差分(フレーム間隔固定)によって動領域候補の検出をしていては,移動物体の速度が一定でない場合には,各フレームごとに抽出領域の形状が異なってしまい,その後の特徴量抽出に問題が生じる.また,フレーム間差合におけるフレーム間隔を制御するには,入力画像を何枚も記憶しておかねばならなず,十分な記憶容量が必要である.そこで,本論文では,2枚の画像フレームの荷重平均をとるフレーム積分計算とファジイ制御を用いて入力画像とフレームバッファ内の画像との2枚の画像の差分を行うことにより,速度の一定していない移動物体の望ましい領域を,各フレームごとに安定・迅速に抽出する手法を提案する.また,合成画像および実画像を用いて実験を行い,従来の手法と比較しながら検証し,本手法の有効性を示す.
社団法人電子情報通信学会の論文
1993-01-25