3次元CT像における肺野内CT値補正法とその肺気腫病変抽出への応用(Japanese Session 2)

概要

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本稿では, 肺野内の血流量の偏りに起因するCT像内のCT値変化を補正する手法を提案し, 補正した画像からの肺気腫病変抽出について述べる.これまでに提案されてきた肺気腫病変抽出手法はCT値に基づき低吸収領域を抽出するものがほとんどである.しかし, 仰臥位で撮影されたCT像の肺野内のCT値は, 血流量の偏りにより, 腹側が低く, 背側が高くなる傾向がある.そのため, 肺気腫病変抽出では腹側で過抽出が, 背側で未抽出が発生しやすくなると考えられる.従来は, 正常症例から計算した補正量を用いて肺野内のCT値の補正を行っていた.しかし, 実際は症例毎に腹側から背側にかけてのCT値の変化量は異なるため, 各症例に対して補正する処理が必要である.そこで本稿では, 症例毎に補正量を推定する手法について検討した.推定には曲線当てはめを用い, 各Coronal断面における肺野内の平均CT値の分布に対して当てはめた曲線を基準にして, 肺野内のCT値の補正を行った.補正した画像に対して肺気腫病変抽出を行った結果, 従来の補正した画像に対する抽出結果よりも良好な結果が得られることが確認された.
社団法人電子情報通信学会の論文
2005-09-15