3次元超音波イメージングのためのファジイ推論を用いた境界抽出法

概要

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超音波エコー画像から生体内各部位の良好な3次元像を得るためには、予めそれらの境界を抽出することが不可欠である。しかしながら,超音波エコー画像はスペックルノイズなど超音波の波動性の強さに起因する画質劣化が激しいため、これまでは各部位の境界を自動的に抽出することが難しかった。そこで、筆者らは、超音波エコー画像を対象とした新たな境界抽出法を提案した。本手法は、5×5×5voxelの参照領域における画像の輝度平均と輝度の重心から参照領域の中心までの距離を特徴量としてファジイ推論機構に入力し、その出力を弛緩法の原理に基づいた反復処理を行うデファジイ機構に通すことにより、画像上の各画素を液体,境界,軟部組織の3つの構成要素のいずれかに分類するものである。本手法の有効性を検証するため、胎児の臨床データに適用したところ、極めて良好な境界抽出結果を得ることが出来た。本方式は、超音波エコー画像から生体組織の3次元表示を行うために必要となる堺界抽出法として、将来有効なものになると考えられる。
1993-10-19