SQUID型構造のSISミクサの特性

概要

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新しい同調回路集積型ミクサとしてSQUID型ミクサを提案し、100GHz帯においてその動作実証実験を行なった。試作したSQUID型ミクサでは、面積が大きく、常伝導抵抗値の小さいSQUID型接合と信号源の整合をはかるため、ストリップライン型のインピーダンストランスフォーマを集積化した。その結果、SQUID型ミクサを用いた受信機において、90-120GHzの帯域で雑音温度40K以下の非常に平坦な周波数特性が得られた。また、最小受信機雑音温度は110GHz付近において約20Kであった。この値はフォトン雑音hν, κ_Bの約5倍であり、SQUID型ミクサが非常に高性能なミクサとして動作することが実証された。SQUID型ミクサの100GHz帯におけるスケール実験の成功によって、サブミリ波帯へのSISミクサの拡張に向けて大きな明るい見通しを得ることができた。また、サブミリ波帯へ拡張した場合に想定されるSIS接合の微小化に対してもトランスフォーマとSQUID型ミクサとの組合せることにより、現在ミリ波帯で使用されている程度のサイズの接合で十分対応できる。
社団法人電子情報通信学会の論文
1994-07-20