サブミリ波帯SISミクサの開発
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概要
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国立天文台野辺山宇宙電波観測所(以下, NRO)では, これまで45 m望遠鏡およびミリ波干渉計を用いて, ミリ波帯における高感度・高分解能観測を進め, 星間分子, 原始星・原始惑星系の形成, 銀河系・系外銀河における星形成などに多くの研究成果を上げてきた。一方, 世界ではJCMT15m鏡やCSO10m鏡などにより, より高い周波数であるサブミリ波観測が行われるようになり, 地上における残された唯一の窓であるサブミリ波帯での天文学の重要性が認識されるようになってきた。我が国においても, ハワイマウナケア山頂に現在建設中の「すばる望遠鏡」に続く天文学の次期大型装置計画として, LMSA (Large Millimeter Submillimeter Array:大型ミリ波, サブミリ波干渉計)計画が検討されている。LMSAは標高判4000 m以上の観測好適地に, 口径10 m級の高精度パラボラアンテナ50台を直径10 kmの範囲に展開する巨大な干渉計で, 0.1〜0.01秒角(@500 GHz)という超高解像力で銀河, 恒星, 惑星系の誕生と進化の姿をとらえようとするものである。LMSAでは, 80 GHz(波長4 mm)から850 GHz(波長0.35 mm)に及ぶミリ波, サブミリ波の周波数帯が主要観測周波数として予定されている。このような状況のもとで, 早急にサブミリ波観測技術の開発を立ち上げる必要があり, これまでNROで開発してきたミリ波帯低雑音SIS素子技術をサブミリ波帯まで拡張し, 高感度なサブミリ波検出技術の開発を開始している。
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 1997-03-06
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