閉成責務動作Ag/SnO_212wt%電気接点で陰極面にできる転移突起の変容に関する一観察
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概要
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小型継電器に搭載した試料Ag/SnO_212wt%電気接点(見かけ接触面3.6mmφ, 接触力0.40〜0.45N, 開離力0.15〜0.18N, メーク接点開放中の間隙0.9mm前後)を直流30V-10Aの抵抗性回路内で閉成責務電気接点として働かせ, 閉成責務動作ごとにバウンス回数やアーク継続時間を測定し, 更に陰極面上にできた転移突起の成長過程を写真撮影した.写真観察の結果は, (1)数千回の閉成責務動作で転移突起は目視可能な円錐台形状にまで成長すること, (2)更に閉成責務動作回数が増加するとその時は高く(最大で0.4mm), 太く成長すること, (3)その大きな突起は根本部分を残して突然に小さな破片に粉砕されること, (4)突起は大崩壊後においても閉成責務動作回数が増加すると再成長すること, (5)突起の大崩壊は10万回の閉成責務動作中に数回起こったことなどである.同じ電気的・機械的条件下でのAg/CdO12wt%電気接点では数万回の閉成責務動作中に大きな突起ができて, 分離不良が生じたが, このAg/SnO_212wt%電気接点では10万回の閉成責務動作中に分離不良が発生しなかった.この原因として, Ag/SnO_212wt%電気接点では大突起が崩壊することで広い面積でロッキングが生じないこと, あるいはロッキングや溶着による接合力が試料継電器の開離力以下であることなどに起因すると考えた.
- 2001-04-01
著者
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