Au電気接点でしゅう動回数が粘着力に及ぼす影響 (機構デバイスの新しい展開とその基礎論文小特集)
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概要
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小形電磁継電器の電気接点では,低い接触力で安定した接触抵抗を得るため,電気接点表面にAuが使用されることが多い.しかし,Auは凝着を起こしやすいので,開離力の低い電磁継電器に搭載されたAu電気接点は粘着による開離不能故障を起こしやすい.片持ち梁ばねの先端に取り付けた電気接点では接点追従および閉成中の振動により直線状の往復しゅう動を起こすが,この直線往復しゅう動を接点に加えた場合の粘着力を測定した実験は従来の研究では少ない.そこで,Au接点に接触力0.1 N, 0.2 N, 0.5 Nを印加した状態で,50μm と100μmの直線状の往復しゅう動を与え,しゅう動回数による粘着力と接触抵抗の変化を測定した.その結果,接触力を印加した状態でしゅう動させるとしゅう動回数の増加と共に粘着力は増大するが,あるしゅう動回数以後はその回数を増加させても粘着力が増大しなくなることを発見した.この事実をvon Misesの降伏条件を使って,荷重負担面の塑性流動により接触面積が増大する条件下では粘着力がしゅう動回数と共に増大するが,塑性流動を起こさない条件下ではしゅう動回数が増加しても粘着力が増大しないということを本論文では明らかにする.
- 1996-11-25
著者
-
窪野 隆能
静岡大学工学部光電機械工学科
-
高野 哲
(株)高見澤電機製作所
-
小林 篤人
(株)高見澤電機製作所
-
高野 哲
静岡大学工学部システム工学科
-
小林 篤人
株式会社高見澤電機製作所
-
窪野 隆能
静岡大学工学部
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