固体^<29>Si NMRのシリコーンゴム中シリカ-シロキサン界面分析への応用
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概要
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溶液法^<29>Si NMRは, ポリオルガノシロキサンの微細な構造解析に極めて有効であり, 近年活発に応用研究がなされているが, 一方, 固体NMRは有機ケイ素系ポリマーに対してはポリシランのコンホメーション解析への応用等ごく一部を除いては, 構造解析に応用された例はほとんど報告されていなかった. 固体^<29>Si NMRの各種有機ケイ素ポリマーへの応用を図る中で, 今回, 従来測定が困難であったシリコーンゴム中のシリカの同定及び適当な分析方法がなく全くのブラックボックスの中にあったシリカ-シロキサン界面分析への応用を検討した結果, シリカの構造に起因するケイ素核の緩和時間の差を利用した^<29>Si DD/MAS法によって, 湿式・乾式シリカの判別を, 又^<29>Si CP/MASによって, シリコーンゴムの主成分である運動性の大きなジメチルシロキサンポリマーとシリカのバルク部を完全に除外して, シリカによって運動が制約されているシロキサン単位とシロキサンによって増感されている, まさにシリカ-シロキサン界面を選択的に測定しうることを見いだした. 本分析法の確立により, シリコーンゴムの物性を左右する大きな因子であるが従来測定困難とされていたシリカ-シロキサンの界面情報を初めて明らかにすることができ, 今後シリコーンエラストマ一の高機能化, 品質安定化・向上への活用ができるものと考えている. 又, 今回明らかにできた知見より, シリコーンゴムの劣化機構解明, 架橋構造の解明をはじめ, 更に多方面での応用が期待される.
- 社団法人日本分析化学会の論文
- 1998-12-05
著者
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