セラミックフルオロアパタイトカラムによるタンパク質のクロマトグラフィー : (I)球状フルオロアパタイトの性質
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
HPLC用セラミックフルオロアパタイト(FAP)はセラミックハイドロキシアパタイト(HAP)の水酸基をフッ素基に置換したものである。フルオロアパタイトはハイドロキシアパタイトより機械的に強、より酸性側で安定であることが知られている。しかし、フルオロアパタイトのクロマトグラフィーにおける性質は全く知られていない。この論文ではセラミックフルオロアパタイトの基本的性質を記述した。FAPはセラミックタイプの充てん剤で、フルオロアパタイトの微小結晶を造粒、焼結して作製した。本実験で使用したFAP粒子の粒子径の平均値はlOμm、粒子径2〜20μmの粒子は粒子全体の91%であった。形状はほぼ球状で、多孔性を示していた。クロマトグラフィーに使用前のFAPと使用後のFAPをX線解析した結果、回折線上に大きな変化はなかった。FAPの格子定数は結晶フルオロアパタイトの格子定数と同じであり、焼結しても脱フッ素していないことが分かった。IR吸収スペクトルを測定した結果、クロマトグラフィーに使用後のFAPの吸収スペクトルにはHAPで観測される水酸基による吸収がなかった.従ってクロマトグラフィー使用後もFAP結品は安定で、フッ素基と水酸基が置換していないことが分かった。FAPを充てんしたカラムによるタンパク質のクロマトグラフィーは、HAPによるものと同様に塩基性の強いタンパク質ほど強く吸着した。FAPはタンパク質の分離分析に有用であると結論した。
- 1989-01-05
著者
-
佐藤 利明
東京都立大学理工学部化学科
-
奥山 典生
東京都立大学理工学部化学科
-
小川 哲朗
旭光学工業(株)
-
蛯原 正臣
旭光学工業(株)
-
奥山 典生
東京都立大学
-
奥山 典生
神奈川歯科大
-
奥山 典生
ペンタックス株式会社
-
奥山 典生
Hoyaメディカル Pentaxニューセラミックス事業部開発部
-
小川 哲朗
ペンタックス株式会社
-
小川 哲朗
旭光学工業(株) 医用機器事業部 ニューセラミックス部
-
小川 哲朗
ペンタックス
-
佐藤 利明
神奈川県衛生研究所
-
蛯原 正臣
旭光学工業
-
小川 哲朗
農工大 工
-
Ogawa Tetsuro
Research And Development Department New Ceramics Division Life Care Headquarters Pentax Corporation
-
Ogawa Tetsuro
R&d Department Of New Ceramic Division Life Care Business Division Pentax Corporation
関連論文
- セラミックフルオロアパタイトカラムによるタンパク質のクロマトグラフィー : (I)球状フルオロアパタイトの性質
- デングウイルス2型の蔗糖密度勾配超遠心分離を用いた分離及びその密度勾配設計についての考察
- 高気孔率ハイドロキシアパタイトビーズと小型ラジアルフロー型バイオリアクターを用いた灌流培養(第2部)発現遺伝子の解析
- 高気孔率ハイドロキシアパタイトビーズと小型ラジアルフロー型バイオリアクターを用いた灌流培養(第1部)装置改良の提案
- MRI画像データによるハイドロキシアパタイト頭蓋プレートの設計と臨床応用
- 治療, 診断, 予防を支えるハイドロキシアパタイトセラミックス
- コンニャクグルコマンナンを分子ふるい添加物とするキャピラリー電気泳動法による生体高分子の分離
- 2E16-3 亜鉛ハイドロキシアパタイトによるHis-tagタンパク質のクロマトグラフィー分離(生物化学工学・分離精製工学,一般講演)
- ヒト遺伝子検査(白血病CML検査項目)の外部精度評価の実施
- 大口径・短カラムを用いたリサイクルクロマトグラフィーによるタンパク質混合試料の分離
- 水系ゲルクロマトグラフィー用充てん剤の分級法についての検討 : 分級装置とデキストランゲルへの応用
- ヒト赤血球に含まれる核酸構成成分の高速液体クロマトグラフィーによる分析
- 高速液体クロマトグラフィーによるヒト尿中の紫外部吸収物質の迅速分析
- ポリビニルアルコール樹脂カラムによるタンパク質の疎水性クロマトグラフィー
- 小型 2 次元電気泳動装置の製作と血清タンパク分析への応用
- ハイドロキシアパタイトの着色現象
- たん白質中に含まれるγ-カルボキシグルタミン酸のアミノ酸分析装置による定量法
- 開発企業からみた骨補填材料の課題
- ハイドロキシアパタイト/コラーゲン・スポンジの下顎骨骨欠損への適用(インプラント, 平成17年度秋期 (長崎) 第46回日本歯科理工学会学術講演会)
- グアニジン変性したタンパク質のハイドロキシアパタイトクロマトグラフィー : 1. グアニジン含有リン酸緩衝液溶離系
- 2H15-4 SDS(Sodium Dodecyl Sulfate)存在下におけるタンパク質のハイドロキシアパタイトクロマトグラフィー(分析化学・物理化学・生物工学一般,一般講演)
- 表面フルオロアパタイトによるタンパク質のクロマトグラフィー
- THE MINI-COLUMN OF LANTHANUM TREATED HYDROXYAPATITE CERAMIC BEADS FOR HIGH PERFORMANCE LIQUID CHROMATOGRAPHY OF PROTEIN
- CHROMATOGRAPHY OF PROTEIN ON HYDROXYAPATITE IMPREGNATED PAPER
- クロマトグラフィ-に用いられるアパタイト (アパタイト)
- 特集「脳とセラミックス-脳の機能解明,診断,治療に活躍するセラミックス」を企画して
- 特集「セラミックスの国際標準化」を企画して
- 化学物質のウラの裏-森を枯らしたのは誰だ-
- 生体関連セラミックス-人工骨から先端医療, バイオテクノロジー, ヘルスケアヘと広がる用途-
- このひとにきく 一條尚氏
- 特集「セラミックス生体材料」を企画して
- 生体関連材料の研究技術および標準化の動向
- 多孔質水酸アパタイトを用いたバイオ人工肝臓
- 気孔径の異なる高気孔率水酸アパタイトの骨形成
- 骨の再生医療システムの開発 : ハイドロキシアパタイトセラミックスによる骨再生
- 組織工学関連材料のISO/TC150, ASTMにおける標準化
- 2C07 ハイドロキシアパタイトの着色現象
- ポリフルオロアルキルシランカップリング剤を用いたセラミックス接着の耐水耐久性
- ハイドロキシアパタイトセラミックのバイオ・医療分野への応用
- ハイドロキシアパタイトセラミックのバイオ・医療分野への応用(バイオマテリアルと生物工学 : マテリアルの魅力を探る)
- Venture ハイドロキシアパタイト細胞培養担体「CELLYARD」
- Venture ハイドロキシアパタイトの細胞培養への応用
- ミクロスラブポリアクリルアミドゲル電気泳動法によるタンパク質の高性能-多試料分析法
- ジエチルアミノエチル-セファデックスを用いた尿素存在下におけるたん白質のイオン交換クロマトグラフィー
- アパタイトコラーゲン生体置換型無機有機複合人工骨(セッション4:材料開発の推進,第三回医療機器フォーラム 製品実現を効率的に進めるためには(研究から臨床まで))
- Venture ハイドロキシアパタイト細胞培養担体「CELLYARD」
- セラミック頭蓋プレートの形状計測・設計と臨床応用について
- 2次元ゲル小脳タンパク質データベース構築のための新しいタンパク質構造解析法
- 水酸アパタイトセラミックス人工骨の材料設計と臨床応用
- 反応性の高い加水分解性基をもつシランカップリング剤の処理効果
- 脳タンパク質の多次元HPLC-ESI/MSによる分子解剖
- 多次元HPLC-ESI/MSとMALDI/TOFMSによる脳の分子解剖
- HPLCとエレクトロスプレーイオン化/イオントラップ型質量分析計を結合した新方式によるタンパク質の構造解析
- 2次元電気泳動や2次元HPLCとMALDI-TOF質量分析法を組み合わせた脳のタンパク質のマッピング
- Effects of pore size and implant volume of porous hydroxyapatite/collagen (HAp/Col) on bone formation in a rabbit bone defect model
- 3C01 ハイドロキシアパタイト顆粒を用いたスクリュー固定性の検討
- 多孔質ハイドロキシアパタイトセラミックス
- ハイドロキシアパタイトマイクロキャリアーを用いた日本脳炎ウイルスの生産
- Hydrophobic Chromatography of Tubulin on Immobilized Colchicine Columns with Various Spacers
- 生物化学への応用-1-生物化学一般について (応用高速液体クロマトグラフィ-)
- 高速液体クロマトグラフィーの装置について(最近のクロマトグラフィー)
- ポリ(アルキル-α-フルオロアクリレート)の歯科床用レジンへの応用
- 水酸アパタイトセラミックスの人工骨への応用
- バイオセラミックスの製造と国際標準-企業におけるバイオセラミックスと関連する国際標準
- "科学"の源流
- 3. ニワトリ骨のk依存性タンパク質の性状に及ぼすDの影響 : 第196回会議研究発表要旨 : 脂溶性ビタミン総合研究委員会
- バイオテクノロジー分野の分析機器・技術開発研究への提言
- プロテインエンジニアリングと神経科学 (プロテインエンジニアリングの期待と展望)
- オクタデシルガラスカラムによるタンパク質,ペプチドの高速液体クロマトグラフィー
- ポリアクリルアミドゲルからの染色したタンパク質の電気泳動的抽出及びそのタンパク質の高速液体クロマトグラフィー
- アフィニティークロマトグラフィー用固定化リガンドの蛍光による測定
- タンパク質・ポリペプチドのHPLCと2D : 電気泳動
- 細胞内Ca2+受容蛋白質-EFhand蛋白質-の構造比較 (Ca2+受容蛋白質--カルモデュリンとトロポニンの分子生物学) -- (Ca2+受容蛋白質の化学と生物学)
- 1-II-24 シロネズミ大腿骨のビタミンK依存性カルシウム結合タンパク質の一次構造について : 日本ビタミン学会第33回大会研究発表要旨
- 脳の酸性タンパク質--CalmodulinとS-100タンパク質 (神経組織特異蛋白)
- アミノ酸・ペプチドの等速電気泳動 (等電点電気泳動と等速電気泳動)
- 等速電気泳動法によるペプチドのマスクされたN末端の分析
- P-31 人工歯表面に対する付着性と接触角 : (II)穀類中の脂質に関する検討
- B-34 人工歯表面に対する付着性と接触角 : (I)人工唾液による影響について
- 無担体等電点電気泳動装置による血清たん白質の分離
- 脳・神経系の分子解剖学(第119回北里医学会招待学術講演会要旨)
- オクチルシリカカラムによるペプチドの分離と溶離位置の予測
- 各種の活性化チオールゲルの調製とコバレントクロマトグラフィーのための性質
- バイオ分野の分析技術と機器 - 最近の動向についての調査 -
- 二次元電気泳動法によるサラブレッド種の血漿蛋白質の同定マップについて
- セラミックスカラムクロマトグラフィ-による医薬品の分離・精製 (バイオセラミックスの新展開)
- 食品の分析--新しい展開-5-食品成分分析と電気泳動法
- 大量分取用電気泳動法
- 電気泳動法の進歩と新しい展開(アラビック) (分ける-2-クロマトグラフィ-を中心として)
- 脳のペプチドの系統的分析 (バイオメディカルクロマトグラフィ--2-) -- (生体成分のクロマトグラフィ-)
- 活性化チオ-ルセファロ-スの反応性とその応用 (アフィニティクロマトとアフィニティラベル) -- (アフィニティクロマトグラフィ-)
- 天然に存在する界面活性物質
- ASTM E-48 バイオテクノロジー委員会の成立ちと働き
- 多次元分離法と飛行時間型質量分析計の結合システムによる脳のプロテオミクス
- 分取クロマトグラフィーの標準化とその周辺領域の調査
- 牛骨乳酸抽出タンパク質の逆相HPLCによる分離
- バイオ分野の分析技術と機器 : 最近の動向についての調査
- Molecular Anatomy から Proteomics にむけて
- 天然有機高分子のゲル
- タンパク質の実験法