ポリアクリルアミドゲルからの染色したタンパク質の電気泳動的抽出及びそのタンパク質の高速液体クロマトグラフィー
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概要
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染色したゲルからタンパク質を電気泳動的に抽出する方法を再検討し,更に,抽出されたタンパク質について高速液体クロマトグラフィーを用いて分析を行った.ISCOタンパク質濃縮装置を小型化して電気泳動抽出装置を自作した.染色したゲルからφ5mmの試料ゲルを切り出し,1M水酸化ナトリウム溶液中に1分間浸し,0.1M水酸化ナトリウム-0.1%ドデシルスルホン酸ナトリウム(SDS)溶液を入れた抽出装置にて30分間放置した.そして,100V定電圧で電気泳動抽出を行った.抽出緩衝液は25mM Tris-塩酸(pH9.5)-1% SDS溶液を用い,電極槽液は250mM Tris-塩酸-1% SDSであった.ゲルからの抽出液を東洋曹達TMS-250樹脂を充てんしたφ46×250mmのカラムに注入し,20〜50%アセトニトリル-0.1% TFA濃度こう配を用いて溶出させ,210nmにおける吸光度を記録し,分析を行った.ゲル濃度7.5%のディスクゲルから前処理せずに1時間電気泳動抽出でアルブミンが100%抽出された.一方,2年間以上酢酸中に保存した二次元ゲルでも,アルカリ処理することによって,トランスフェリンが8時間以内で100%抽出された.又,泳動抽出によく用いる0.1% SDSより1% SDSのほうが抽出を早めることが証明された.なお,SDS,コマシブリリアントブルー,及びゲルと試薬由来の不純物はクロマトグラフィーを行うことにより除かれた.
- 社団法人日本分析化学会の論文
- 1985-03-05
著者
-
笠井 久隆
東京都立大学理学部化学科
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奥山 典生
東京都立大学理工学部化学科
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奥山 典生
東京都立大学
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奥山 典生
Kanagawa Dental College
-
陳 顕川
Department of Chemistry, Faculty of Sciece Tokyo Metropolitan University
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陳 顕川
東京都立大学理学部化学科
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陳 顕川
Department Of Chemistry Faculty Of Sciece Tokyo Metropolitan University
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