マルチエージェント理論構築のための離散時間記号シミュレータの開発

概要

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本論文は、離散時間のマルチエージェント理論構築のためのシミュレータの開発について報告するものである。離散時間マルチエージェントモデルとして記述される、社会、経済、経営などの事象に関して、本シミュレータは簡潔で柔軟なモデル構築・検証方法を提供する。本シミュレータは、モデル構築者がモデルに専念できるように、データ構造として黒板と一階述語、シミュレーションエンジンとして代替案生成・選択機構を持つことによって、言語の習得、モデルのプログラミング、そしてモデルのデバッグに関するモデル構築者の負荷を軽減する。シミュレータにおけるモデル記述言語の詳細についてはで報告した。本論文では、基本的データ構造とシミュレーションエンジンを持つ本シミュレータが、マルチエージェントモデルの構築のための有効なツールの1つとなることを示すために、マルチエージェントモデルの例として、ファミリーレストランの厨房におけるコックの間の協調現象のを取り上げ、そのモデル化の過程に沿って、本シミュレーションツールの説明を行なう。
一般社団法人情報処理学会の論文
1997-03-12