生活医療情報における情報組織化システムに関する研究

概要

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現在、核家族化、女性の就業増加、育児環境の不整備などから、親同士の交流機会が減少してきている。そのため、親は、育児の知識が少なく、育児に関連する情報もうまく収集利用できないため、幼少児が病気になったときどのように対処すればよいのかという不安を抱えている場合が多いと考える。医療情報は、一般に、医療関係者のための情報であることが多いため、専門知識のない人々の直接的な利用には、困難が伴う。本稿では、生活医療情報を、人々が医療機関にかかるまでの判断や応急処置に必要な情報と位置付ける。そして、ここでは、親が、その幼少児の病気に対して的確な対処ができるようにするための生活医療情報に着目し、その提示を行うシステム、生活医療支援協調システム(LACS)を提案し、プロトタイプの構築を試みる。LACSは、生活医療情報の必要性、患者と医師をつなぐシステムの重要性に基づいて、インターネット上の情報を組織化し、親の意思決定プロセスを支援するシステムである。また、LACSは、ユーザ同士のコミュニケーションを促進させる新たなサイバーコモンズを生成するシステムでもある。このサイバーコモンズは、親がこのシステムを利用し、情報を交換したり、共有したりして、生活医療情報を的確に、かつ迅速に利用できるようになることにより、生成されると考える。
日本社会情報学会の論文
2000-09-30

生活医療情報における情報組織化システムに関する研究

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