共有ウィンドウシステムにおけるテレポインティングの問題
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
LANまたはISDNなどの通信回線で接続されたワークステーションやパーソナルコンピュータを用いて,会議などの共同作業を支援するグループウェアでは,共有ウィンドウを声以外の視覚的な対話手段として使用することが多い.1つの共有ウィンドウは,各参加者のマシンにそれぞれ1つのウインドウを実体として持ち,それら複数の実本が通信しながら論理的には1つのウィンドウとして動作する.各参加者のマシンの共有ウィンドウの表示内容は,すべて同一になるように制御される.このようにすべての参加者に同じ見え方を提供することをWYSIWIS(What You See Is What ISee)と呼ぶ.共有ウィンドウシステムでは,参加者は自分用のマシンの共有ウィンドウだけを見るので,他の参加者がポインタを使って何かを指し示してもそのポインタを見ることができない.この問題を解決するためにテレポインタが使われる.テレポインタは,自分以外参加者のマシンに現れ,自分のポインタの位置と同じになるように動く.これを用いることによって相手に自分が共有ウィンドウの中で指し示しているものを伝えることができる.本稿では,著者らが作成している会議システム[1]での実験と実装をとおして検討した,WYSIWISとテレポインティングの関係について論じる.XEROXのColabを作した研究では,WYSIWISは共有ウィンドウシステムに必須であるが,あまりに厳密に適用するとかえって使いにくくなるという知見が得らかている、テレポインテイングについては,逆に厳密なWYSIWISの方が実現しやすく,各マシンの自律性を認めてWYSIWISを緩めるとテレポインテイングに関する問題が生じることを例をあげて説明する.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1992-09-28
著者
関連論文
- マルチメディア会議システムRTPにおける共有黒板の制御方式
- 仮想会議システム(5)共有アプリケーション
- 仮想会議システム(4)会議制御
- 仮想会議システム(3)通信
- 仮想会議システム(2)ユーザインタフェース
- 仮想会議システム(1)アーキテクチャ
- 共有ウィンドウと動画を用いた遠隔マルチメディアプレゼンテーションシステム
- MML環境における自動ファイル複製システム(2)技術的側面
- MML環境における自動ファイル複製システム(1)概要
- 遅延実行によるマイクロ・メインフレーム結合の拡張とその適用
- マウス挙動に基づくテキスト部分抽出方式と抽出キーワードの有効性に関する検証(マルチメディアコミュニケーションシステム)
- Webブラウザ操作の検出・再生技術とそのマーケティングへの応用の検討
- Webブラウザ操作の検出・再生技術とそのマーケティングへの応用の検討
- マルチメディア会議システムRTPにおけるリアルタイム録画再生方式
- マルチメディア会議システムRTPと電子白板との組合せによる教育への応用
- WWWブラウザ共有技術を応用した同期型遠隔教育の実験
- Webブラウザ操作の記録・再生システム
- セルフサービス金融端末への共同作業技術の応用
- 非対称共同作業のためのプラットフォーム : MCC(3) 共有黒板・ユーザインタフェース
- 非対称共同作業のためのプラットフォーム : MCC(2) 通信・ビデオ機能
- 非対称共同作業のためのプラットフォーム : MCC(1)アプリケーションインタフェース
- 共有黒板のハイパーメディア化とその応用
- 遠隔契約システム (3)共有アプリケーションによるイメージ処理
- 遠隔契約システム (2)マルチメディア通信制御
- 遠隔契約システム (1)全体構成
- 遠隔地における共同作業のための投影を用いたユーザインタフェース
- 共有ウィンドウシステムにおけるテレポインティングの問題
- n 対 n 通信のための2段相互マルチキャスト
- 固定重み付き分散マッチメイキングのプロセスグループ構成法
- 有限射影平面を利用した効率のよい分散合意プロトコル