TCPにおける再送タイムアウトに関する一考察

概要

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長距離高速ネットワークにおいて、帯域を有効に使ってTCP(Transmission Control Protocol)のスループットを向上させるためには、伝送路で使用できる最大の帯域を使い切るだけのパケットを送り出せるように、送信バッファサイズおよび受信バッファサイズを十分に大きくし、確認応答(ACK:Acknowledgement)を待たずに送信できるデータ量の最大値、すなわち最大ウィンドウサイズを増やすことが必要である。ところが、単一ストリームの通信において、エンドノートが接続されているネットワークの帯域に比べて低い帯域のリンクを通る場合には、最大ウィンドウサイズを増やすと、スループットがネットワークの静的な帯域の30%以下になる現象を確認した。本論文では、まずこの現象を解析し、次に再送タイムアウトの値について触れ、最後にネットワークの静的な帯域見積りに基づく送信レート制御を行なって重度の輻輳による転送停止が単一ストリーム時に起こらないようにする手法を提案する。
一般社団法人情報処理学会の論文
1996-09-04