分散プログラムの動作理解のための分散プロファイラ

概要

論文の詳細を見る
コンピュータネットワーク技術の発達に伴い、複数のマシン上で複数のプロセスが通信をし合いながら1つの処理を行なう分散プログラムの開発の必要性が高まっている。しかし分散プログラムの開発は、プロセスや通信路の生成消滅など、プログラムの動作状況が動的に変化するので、従来の単独マシンのプログラム開発より、はるかに難しい。この問題を解決する手段として分散プログラムのデバッグの一手法として知られており、いくつか研究されている。しかし、これらは、(1)OSの改善や専用ハードウェアが必要で汎用性がない、(2)ユーザプログラムの変更を必要とするため、ユーザへの負担がある、(3)モニタできる通信手段を限定している(例えば、ストリーム通信を取り扱えない)などの問題点がある。我々は、既に上記の問題点を解決する分散プロファイラを提案した。これは、異機種分散ネットワークシステム上で動く分散プログラムの実行の様子を、わかりやすく表示して、プログラムの動作理解を支援するシステムである。今回このプロファイラを試作、評価したので報告する。
一般社団法人情報処理学会の論文
1992-02-24