帯域見積りに基づく輻輳回避アルゴリズム (<特集>マルチメディア分散・協調コンピューティング)
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概要
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TCPによるデータ転送において, TCPに輻輳回避のアルゴリズムが備えられているにもかかわらず, 輻輳によりスループットが著しく低下する現象が発生する. この現象は, エンドノードでのネットワークの帯域よりも狭い帯域のリンクが転送経路上に存在するときに顕著である. 本論文では, まずこの輻輳の発生過程を解析し, 従来のTCPのアルゴリズムの問題点を明らかにする. 次にスループットを向上させる輻輳回避アルゴリズムBECCを提案する. BECCでは転送経路上の最も狭い帯域を検出して, これに基づいて最大ウインドウサイズを動的に制御することにより輻輳の発生を抑制し, スループットを改善する. BECCには既存のTCPプロトコルを変更する必要がないことと, アルゴリズムの変更は送信側に限られるという利点がある. 実験用ネットワークにおける測定で, BECCが輻輳の発生を抑制し, スループットを向上させることができることを確認した.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1998-02-15
著者
-
天海 良治
日本電信電話(株)基礎研究所
-
釘本 健司
日本電信電話株式会社ソフトウェア研究所:日本電信電話株式会社光ネットワークシステム研究所
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天海 良治
日本電信電話株式会社ソフトウェア研究所:日本電信電話株式会社光ネットワークシステム研究所
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