制御依存関係による並列度利用の限界に関する定量的評価

概要

論文の詳細を見る
プログラムの広い範囲を対象にデータフロー解析とプログラム変換を行なうことで,プログラムに内在する並列度の利用が可能となる。しかし,汎用プログラムには多数の分岐命令が存在するため簡単に解析範囲を広げることができない。最新のマイクロプロセッサも実行される可能性の高い命令をバッファ(命令ウィンドウ)に格納し,実行可能となった命令をアウト・オブ・オーダ発行することで命令レベルの並列度を利用する。我々は汎用アプリケーションを対象に実行コードがもつ様々なレベルの並列度の利用を目指しており,命令ウィンドウで決定される解析範囲を大きくしていくアプローチとともに,プログラム中の独立なフローを抽出する手法を検討している。本稿では,広範囲の解析を可能とするために基本ブロックを解析の基本単位とし,ブロックレベル並列度の限界,ブロック単位の解析範囲を広げて得ることができる並列度を測定する。これよりブロックレベル並列度の利用に関する考察をおこなった。
一般社団法人情報処理学会の論文
1996-09-04