適応的にデータ表現変換を行なうリモート・プロシジャ・コールの検討

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複数の計算機をネットワークで結んだ分散システムにおいて、クライアントサーバモデルに基づくリモート・プロシジャ・コール(RPC)が広く利用されている。異なるハードウェアやオペレーティング・システム(OS)が混在する異機種計算機環境においてRPCを行なうためには、何らかの方法でデータの表現形式を変換する必要がある。現在の分散システムは、ネットワーク標準のデータ表現形式を定め、データ表現の多様性に対処している。標準形式と異なる内部表現を持つ計算機がネットワーク通信を行なう場合、内部表現から標準形式へ表現変換を行なうことで、異機種間通信を行なうことができる。しかし、この手法では計算機の内部表現と標準形式とが異なる場合、本来なら変換の必要がない同機種間通信であっても表現変換を2度行なうことになる。これはネットワークを介したRPCにおいて、通信相手の内部表現の形式を認識しないためである。そこで、通信相手を認識し、(1)不要な表現変換を行なわない、(2)表現変換が必要な場合にも変換コストを最小とする、ことを目的とする「適応的なデータ表現変換機能」をRPCに持たせることにより、ネットワークを介したRPCを高速化することが可能である。通常、RPCではクライアントがサーバコールに先立ちネームサーバにアクセスし、クライアントとサーバの論理的な結合を行う。そこで、ネームサーバにデータ表現形式に関する情報を持たせることにより、データ表現形式に関するネゴシエーションを行なわせることができる。本稿では、適応的データ表現変換機能をもつRPCの提案とその実現手法について述べる。
一般社団法人情報処理学会の論文
1990-03-14

適応的にデータ表現変換を行なうリモート・プロシジャ・コールの検討

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