力学的モデルによる超並列指向文字認識の実験

概要

論文の詳細を見る
現在、インターフェースの研究で関心を集めているものにペンがある。ペンコンピュータは90年代に入り、特に米国において、ブームを巻き起している。ところが、一般用のペンコンピュータが販売されている現在においても、その認識率はあまり高くない。この原因は様々考えられるが,活字の認識と違って手書き文字認識には、各人による字形の違いなどの変形の問題が一番影響を与えている。変形文字に強い認識手法が必要だと考えた。我々が研究している認識手法は力学モデルに基づく。力学的なモデルであるから、マッチングの処理が視覚化しやすい。視覚化は文字認識にとって重要であると我々は考えている。ユーザが認識手法を理解し、誤認識が起こらないように自分を適応させるために不可欠である。手書き文字認識に関わるもう一つの問題は、オンライン/オフラインのシステムが共存する中で各認識手法が異なるとユーザが混乱することである。これはユーザがコンピュータを使うときに、ある程度自分の行動を適応させるからである。例えば、ユーザがオンラインシステムに認識してもらうために自分の書き順、字の形などを変えるかもしれない。そこで違った手法を使用するオフラインシステムで同じことをしようとしたら、失敗するであろう。したがって、ユーザインタフェースを考えた一貫性が必要である。我々の手法は入力パターンからの時間的な情報を必要としないから、オンライン/オフライン共通で、この問題に対処している。変形に強い手書き文字認識方式の一つの欠点は、処理時間を要することである。この問題を解決するには、並列処理を利用すれば良い。この認識手法の実現には、基本手法の変形が考えられる。我々はこれらを考察して対照実験のためのプログラムを作成した。そのプログラムを用いて平仮名46文字を対象にした実験を行った。本稿ではこれらの変形とそれぞれのパフォーマンスの差について報告する。
一般社団法人情報処理学会の論文
1993-03-01

力学的モデルによる超並列指向文字認識の実験

スポンサーリンク

概要

著者

関連論文

スポンサーリンク