日本文自動書き替えによる構文多義の解消
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概要
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機械翻訳の利用を阻害している要因の1つとしてプリエディトの問題がある。即ち,原文を原言語の中で書き替えることにより訳文品質の向上を狙うのだが,訳文が合格するまでには書き直しては翻訳させてみるというプロセスを何度も踏む必要がある。ここで,訳文が不合格と判定される原因としては,1.原文の表現にあいまいさがある,2.利用する翻訳システムが受け付けない表現が含まれる,3.原言語と目的言語とで表現の対応が取りにくい,の3つが考えられるが,1.は意味理解など高度な処理が必要と考えられるため,現状ではひとまず機械翻訳の課題からは除外する。残りの2つについて考察すると,2.は翻訳システムの言語解析能力そのものの問題と考えられる。また3.は翻訳方式の基本が逐語訳と要素合成の上に成り立っているための問題で,ともに機械翻訳に課せられている大きな課題である。筆者らは,多様な語彙・表現を持つ文を扱うことを目標に,多段翻訳方式を提案し,日英翻訳システムALT-J/Eの試作を進めている。本稿では,上記2つの課題を解決する1つの方法として,日本文を解析プロセスの中で自動的に書き替えるJ/J変換を提案し,それをALT-J/Eの中に導入したことによる構文多義の解消効果について述べる。
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1990-09-04
著者
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