超並列向きプロセッサ結合網Shifted Recursive Torus

概要

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近年のコンピュータの高速処理への要求に対する1つの解決方法として多数のマイクロプロセッサ(MPU)を用いた並列処理があげられる。並列処理を行なう場合プロセッサ要素(PE)間通信が処理能力全体を規定する重要な要素になるため、様々な特徴を持つPE間結合方式が提案されている。数百万のPEを結合する大規模超並列システムに適合する結合網には、ノード当りのリンク数が少数で固定数であること、実装上配線が簡単であること、耐故障性などの要件が求められる。ここで提案するShifted Recursive Torus(SRT)は、・ノード当りのリンク数が固定・配線方向が縦横のみ・階層構造を持ちスケーラビリティに優れる・1次元で定義され2次元3次元へ拡張が容易・平均通信距離が小さいという特徴を持ち、超並列システムに適する結合網の1つと考えられる。1次元SRT(1D-SRT)は、リング結合にバイパスリンクを付加することにより直径および平均通信距離を短縮できる。1D-SRTは2次元に容易に拡張でき、2次元SRTを2D-SRTと名付ける。2D-SRTは斜め方向の配線を含まずにRDT(2,4,1)/α[3]と同程度の平均通信距離を実現できる。また、SRTは3次元への拡張が容易である。
一般社団法人情報処理学会の論文
1995-09-20