FPGAを用いた音場シミュレーションシステム構築に関する検討(リコンフィギャラブルシステム,一般)

概要

論文の詳細を見る
音場シミュレーションは室内音響設計の分野で広く用いられており,計算機の性能向上に伴い,音を波動として解析する数値シミュレーションが盛んに行われるようになってきた.しかし,差分法や有限要素法に代表される波動音響解析法は膨大な計算機資源を必要とするため,既存の計算機の性能では不十分である.また,近年,音場シミュレーションの適用分野として,音響空間擬似体験システムへの応用が注目されている.シミュレーションの高精度化,リアルタイム処理が求められることから,音響解析専用のハードウェア構築,すなわち音場のハードウェア化が必要である.さらに,様々な条件を持つ音響空間をシミュレーションにより実現するには,柔軟性が重要になる.我々は音場のハードウェア化に適した計算法として離散ホイヘンスモデルに着目し,シミュレーション条件を容易に変更可能な音場シミュレーションシステムの構築を目指す.本稿では,2次元音場の離散ホイヘンスモデルに限定した音場シミュレーション回路の設計,および,任意のサイズの音場シミュレーションを実行する回路の自動生成・実装方法に関する検討の結果をまとめ,報告する.
社団法人電子情報通信学会の論文
2006-05-12