ウダイカンパの種子休眠制御におけるファイトクロームと低温処理の相互関係
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概要
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ウダイカンパ種子は, 暗所では発芽しない典型的な光発芽種子である。25℃での1回の赤色光照射では, 4時間以上で発芽し, 48時間照射で約60%, 連続光で約70%の発芽がみられた。しかし, 1日1回5分の4回照射(合計照射時間20分)では, 連続光に匹敵する発芽をしめした。低温処理をしたあとでは, 短時間の1回赤色光照射で発芽するようになるが, 暗所恒温下では発芽しない。また, 低温処理前に赤色光を照射したときも, 赤色光の発芽促進効果は明らかである。この発芽促進効果は5℃, 25日間の暗所での低温処理のあとでも遠赤色光で打消される。ジベレリン酸は, 単独で, 低温処理と赤色光の両者の効果をもたらした。また, 低温処理をした種子では変温が赤色光と同様の効果をしめした。赤色光照射で活性化されるファイトクロームの消長と低温処理によって誘起される物質代謝との相互関係を基に, 上記種子休眠打破現象を論じた。
- 日本森林学会の論文
- 1977-10-25
著者
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