アカマツ休眠芽の光周性に関する研究(I) : 当年生および1年生アカマツの生長におよぼす日長の影響
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概要
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アカマツの当年生および1年生苗の生長におよぼす日長の影響をしらべて, 生長の型を考えてみた。1)当年生苗では, 主軸(子葉節から冬芽まで)の伸長量と尋常葉展開数は, 日長が長いほど増加がみられた。冬芽形成は, 8時間日長で一番促進され, つぎに24時間日長で促進がみられ, 12〜14時間日長では一番おくれた。初生葉の展開数は冬芽形成のおくれた(生育期間の長い)12〜14時間日長で最大であり, それよりみじかい日長でも長い日長でも減少した。主軸伸長の増加はまったく節間伸長の増加によるもので, 節数には無関係である。初生葉の形成展開には12〜14時間日長が最適であり, 節間伸長は日長が長くなるほど増加する。12〜14時間日長が最適である頂端分裂組織の分化活動と, 長い日長ほど適している伸長現象とが組合わさって, 上述のような当年生苗の生長型をしめすのであろう。2)1年生苗は, 前年度にすでに決定している原型を展開するだけで, 尋常葉出現数, 冬芽形成時期(生育期間)は, まったく日長処理区の間で, かわらなかった。ただ節間伸長, 尋常葉の長さは日長がながいほど増加した。
- 日本森林学会の論文
- 1967-07-25
著者
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