道路法面上の樹林の面積とマツカレハ(Dendrolimus spectabilis BUTLER)密度との関係
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概要
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東名高速道路, 浜松・浜松西間の南面法面上に600m^2のコードラートを12個設定した。そこに出現する樹高1m以上の全樹木の本数, クロマツ本数, ならびに樹種ごとの平均樹冠面積を測定し, マッカレハ卵塊および3齢幼虫密度との関係を調査した。その結果, クロマツ1本当りのマツカレハ卵塊数は樹木本数の増加に伴って指数級数的に減少することがわかった。しかし, 樹林とマツカレハ密度の関係は, 樹林の樹冠面積とクロマツ樹冠面積100m^2当りの卵塊数, あるいは枝1本当りの幼虫個体数で表わすほうが理解されやすいものであった。すなわち, クロマツであるか否かにかかわらず, 樹冠面積の割合が高まるにつれて卵塊数は少たくなり, またその割合の小さい樹林では, 全樹冠面積に占めるクロマツ樹冠面積の割合が高まるにつれて, 卵塊数は多くなった。同数の卵塊が産みつけられている場合には, 樹冠面積が大きくなると3齢幼虫数は少なくなった。このような結果は, 道路法面上という樹林の環境条件に強く支配されたものと思われる。
- 日本森林学会の論文
- 1985-02-25
著者
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