オオモミジの結実習性とアブラムシの寄生の影響
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概要
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オオモミジの園芸品種であるオオサカズキの花序数,子実数ならびにそこに寄生するアブラムシの個体数を調査し,オオサカズキの結実習性とそれに及ぼすアブラムシの寄生の影響を明らかにした。ある年の翅果数と翌年の花序数,アブラムシの寄生が少ない場合の花序数と同年の翅果数の間には直線回帰があてはまる。したがってアブラムシの寄生がなければ,ある年の子実数と翌年の子実数の関係は一次式で表されることになる。この直線の傾きは負であるので,オオサカズキは隔年結実習性を持つと推定された。アブラムシの密度の上昇によって花序数に対する同年の翅果数の比(IK比)は低下した。各個体のIK比の最大値と各年の花序数から期待される翅果数を実現可能最大翅果数と仮定し,現実の翅果数の割合を翅果実現率とすれば,翅果実現率は前年の翅果数とアブラムシ密度で表すことが可能である。アブラムシの寄生はカエデの結実習性を撹乱し,結実数の不規則な変動を引き起こすことが明らかになった。The effects of aphid infestation on seeding of Acer amoenum were studied in Tanashi Wood, the University Forest Experimental Station at Tanashi, for the years from 1983 through 1989. Methods: Five branches at points about 2-3m above the ground were chosen on each of four late budding A. amoenum (6m in height) and numbered. Aphid, inflorescence and key-fruit numbers on the terminal portion (40cm long) of the branches were counted. Aphids were counted once a week in the spring and autumn. Inflorescences were counted at the end of April and key-fruits were counted once a month or every two months from May through September. Key-fruits stay on the trees during the period from May through October. As there was no density relationship in the decrease in immature key-fruit numbers, the mid- May numbers were used in the following analysis.
- 東京大学大学院農学生命科学研究科附属演習林,The Tokyo University Forests,東京大学農学部林学科,Department of Forestry, Faculty of Agriculture, University of Tokyoの論文
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