換気孔を有する冬季林業用作業服の試作とタワーヤーダ荷掛け作業への適用

概要

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作業時には衣服内温度と湿度の上昇や発汗を抑制し,休憩時や衣服内温湿度が低いときには体を冷やさないように,衣服内温湿度を調節できる冬季林業用作業服を設計・試作した。すなわち,作業服に開閉できる換気孔を設け,保温の必要なときには換気孔を閉じ保温性を持たせ,発汗が生じるような状態では換気孔を開け,換気による熱移動を促進するようにした。換気孔は背部に縦型に開けたが,1列のものと2列のものの2種類試作した。さらに,試作作業服を用いて,1名の被験者に,寒冷地におけるタワーヤーダ集材の荷掛け作業に適用し,衣服内気候の調節機能や実際の現場での着衣感覚について検討を行った。いずれの作業服も,換気孔を閉じた状態では衣服内相対湿度が80%RHを超えたが,背部換気孔の開口によって,最内層の湿度は低下し,低い状態を保持した。作業服内側の空気層の温度は5〜8℃の低下が生じたが,最内層の温度低下は最小に抑えることができた。着心地に関する被験者の聞き取り調査においても,換気孔の開閉により快適な状態が保たれていることが示された。
1996-11-16