綿および麻を素材とした下刈用作業服の試作と衣服内気候の実験的検討
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
下刈用作業服の素材として綿と麻を取り上げ, それぞれ半袖と長袖の下刈用作業服(上衣)を試作した。デザインは, 通気性や動作のしやすさを考慮して, 前あきで, オープンカラーとし, ゆとり量を大きくとり, 袖山を低くした。これらの作業服を着用して, 夏季に野外試験を行い, 下刈作業時の衣服内気候を測定するとともに, 着心地に関する調査を行った結果, 以下のようなことが明らかになった。1)晴の日の下刈作業における衣服内温度は, いずれの作業服も上腕部で最も高く, 次に背部であり, 胸部は最も低かった。2)衣服内湿度は首にタオルを巻いていなかった麻半袖の背部を除き, 100%RHに近い湿度になった。3)衣服への汗の吸収量は, 綿作業服着用時の方が大きい。4)着心地についてはいずれの作業服も動きやすく, 涼しく, 風通しがよい, とくに半袖は風通しがよく涼しいと評価された。5)作業服の接触感は, 長袖において肌に直接触れている肩の部分で, 綿では汗による体へのべとつきが示され, 麻ではちくちくするという物理的刺激が示された。6)素材の物理的特性と着用実験結果から, 素材としては, 麻の方が熱伝達性, 水分の吸収・放湿性, 強度の点で, 炎天下の下刈用作業服に適していると考えられる。7)下着の着用は汗の吸収と輻射熱の遮断において大きな効果があり, またかたい麻織物が直接皮膚に接触しないためにも, 作業服の下に下着を着用することが効果的と考えられる。
- 1996-05-16
著者
関連論文
- 伐採作業における樹種のちがいによる事故の危険度
- 森林利用学会シンポジウム記録「日本の林業作業システムの展開」
- 地形が簡易架線の集材可能範囲へ及ぼす影響
- タワーヤーダ, スイングヤーダ集材における地形が集材可能範囲へ及ぼす影響
- 東京大学北海道演習林の択伐集材跡地における土壌締め固めの回復
- 速報 林地残材バイオマスのエネルギー利用に伴う養分持ち出し量の推定
- 5-18.わが国における森林系未利用バイオマス資源としての林地残材の収穫システム(Session 5 バイオマス)
- 布の物性値が視覚的触感に与える影響
- 高等学校家庭科における衣生活に関連した伝統文化の学習 : 第2報 植物染料による染色の教材化と授業実践
- 高等学校家庭科における衣生活に関連した伝統文化の学習 : 第1報 間々田紐の教材化と授業実践
- インナーウエアのアウター化 : 購読雑誌からみた着用実態と意識
- 万葉集にあらわされた織り
- 布の触感に関する基礎的データからみた衣生活教育の課題
- 環境感性の育成を目指した家庭科教育 : 生活情報の視座から(平成16年度修士論文要旨(家庭科教育関係))
- ポケット位置による下半身及び臀部の視覚イメージ
- 環境感性の育成を目指した家庭科教育とメディア教育のクロスオーバー
- 家庭科教育におけるマルチメディアの利用 : 調べ学習にインターネットを利用して
- 林地土壌型と土壌支持力の関係
- 林業機械走行管理システムの構築に向けた位置情報通信実験
- トラクタ走行回数が土壌密度へ与える影響 : 東京大学北海道演習林の北方天然林における事例
- 森林利用学会シンポジウム記録「日本の林業作業システムの展開」
- チャネルロドプシンを発現させた光応答型培養神経回路
- 林内移動式枝払い機械の詩作に関する研究(III) : 列状間伐作業への適用例
- 林内移動式枝払い機械の試作に関する研究(II) : 試作枝払い機の枝払い特性
- ハーベスタによる伐木造材作業
- 綿および麻を素材とした下刈用作業服の試作と衣服内気候の実験的検討
- タワーヤーダ・プロセッサ・フォワーダ形集運材作業システムのシミュレーションによる検討
- 急勾配の林道路線設計と施工
- さらなる論文・記事の投稿を
- 森林利用学の三位一体
- 森林利用学会誌に望まれるもの
- 森林利用学会誌に望まれるもの
- タワーヤーダによる集材作業における架線張力の分析
- 三次元人台測定データからの原型作成システム (第1報)
- 総合討論記録 (これからの林業機械化にむけた林業技術者の教育・研修の戦略化に関するセミナー)
- 林業用雨具の衣服内気候
- 高校生の流行観
- 高齢者の気温変化に対する温熱反応に及ぼす衣服の役割
- 冷房下での衣服の着脱と不快感について : 皮膚温と脳波による検討
- ブータン国ユフロ3.06部会の国際セミナー参加記
- 配色が衣服の視覚イメージに与える影響
- 作業道の環境保全効果と路網整備に関する考察
- 動画像解析によるファウンデーションの歪み分布計測
- 官能検査と動的被服圧測定によるファンデーションの快適性評価
- 皮膚掻痒症に対する絹肌着の效果
- 森林軌道の現代的利用
- 機械化と路網 (林業機械 特集(2))
- 新考・森林学--これからの森づくり(13)路網と森林施業
- 国際山岳年と持続可能な山岳開発のための国際パートナーシップの発足
- 森づくりの主役・作業道 (今月のテーマ 森づくりと作業道)
- 森林で働く機械と林業の経営(森で働く機械)
- 特集にあたって(森で働く機械)
- 森林で働く機械と林業の経営
- 特集にあたって
- タワーヤーダー・プロセッサ・フォワーダ型集運材作業システムにおける集材路と架線の検討
- 自走式搬器による集材作業システムの検討
- 換気孔を有する冬季林業用作業服の試作とタワーヤーダ荷掛け作業への適用
- 森林作業のための4脚歩行機械の試作
- 林学系3学会シンポジウム「これからの日本の森林・林業を考える〜新たな森林計画制度を取り上げて〜」
- ISO 14001取得による環境教育効果 : 宇都宮大学教育学部生の環境意識調査を通して
- 丸編布を用いた衣服の形態変化
- ポリエステル加工糸編布の熱プレスによる熱固定と物性変化
- 森林利用学会誌の新たな船出
- 脳波のカオス解析を用いた着脱衣における温冷感の評価
- マルチメディアを利用した家庭科教育 : 子どもの主体性の育成をめざして
- Web-consumerを考慮した布の視覚情報と触覚情報(感性情報処理および一般)
- 小規模木材生産における作業システムの生産性と生産費
- 間伐跡地におけるプロセッサとフォワーダによる土壌締固め
- GISを用いた間伐材搬出計画
- 林業用大型機械による作業跡地の経年変化
- 脚動作によって生じる土壌変形への拡張個別要素法の適用
- タワーヤーダによる集材作業における架線張力の分析
- タワーヤーダ,スイングヤーダ集材における地形が集材可能範囲へ及ぼす影響
- トラクタ走行回数が土壌密度へ与える影響 : 東京大学北海道演習林の北方天然林における事例
- 東京大学北海道演習林の択伐集材跡地における土壌締め固めの回復
- WEPPを用いた富士山麓作業道作設地における土砂流出予測(研究発表会)
- ヨーロッパ諸国の森林バイオマス事情とわが国における研究の展開
- 森林の空間利用のための基盤整備
- 北欧各国の持続的森林経営の取り組み
- 素材の異なる下刈作業服の衣内温湿度の比較検討
- 水冷ベストの下刈作業への適用
- 下刈作業時における新素材作業服の衣内気候
- 討論(森林利用研究会シンポジウム)(山岳林における伐出技術と林道)
- 森林作業道木製構造物の経年劣化
- 森林利用学会情報交換会記録「森林利用学をめぐる情勢」
- 森林利用研究会シンポジウム : 高度情報化社会における機械化林業のコンセプト
- 森林利用研究会シンポジウム"路網と機械化の接点をさぐる"
- 森林利用研究会現地見学会およびシンポジュウム 地域林業における伐出作業の機械化
- ホイールトラクタ全木集材時の走行速度
- 動力回生形インターロック付小形モービルタワーヤーダの開発
- 林業用作業服の機能性および快適性の向上化に関する研究(II) : 下刈作業時の衣内気候
- 林業用大型機械作業による林地土壌締固めへの影響
- お役に立ちます!最新研究紹介 森林作業道木製構造物の経年変化
- 林業用作業服の機能性および快適性の向上化に関する研究(I) : 林業用作業服に求められる機能
- NPOによる里山の森林整備と生産林化への取り組み
- 森林利用学会のあらたな責務
- 林内枝払い機械による皆伐作業と燃料消費
- 森林作業道における波状縦断勾配による排水の有効性と特徴(路網整備の技術的課題I)
- 到達率によるタワーヤーダ架線の中間支持器の効果の検討
- 工法の異なる森林作業道における路面支持力の特徴(路網整備の技術的課題I)