林業用雨具の衣服内気候

概要

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雨天での森林作業において, 快適な着心地と機能性を満足する雨具を研究, 開発するための基礎資料にする目的で, 作業時の雨具の衣服内気候を検討した。日本で一般的に使用されている雨合羽(ポリ塩化ビニル製)と北欧製の林業用レインジャケット(ポリウレタンコートナイロン製)を雨具として着用し, 実際の森林作業における測定と, 環境温度21±2℃, 環境湿度75±2%RHに調整した人工気候室内での運動負荷における測定によって,衣服内気候を検討した。その結果, 次のようなことが明らかになった。1)環境温度, 湿度とも比較的高い野外作業では, いずれの雨具着用時においても, 作業により衣服内温度・湿度が上昇し, 不快な高温多湿の衣服内気候を呈する。2)休憩により, 北欧製は衣服内温度, 湿度とも低下するが, ポリ塩化ビニル製の雨合羽では低下の程度が小さく, 低下に時間を要する。3)気温がやや低いが, 作業により発汗が生じるような野外作業では, 衣服内の温度上昇は大きくないが, 湿度は高い。4)作業による発汗がほとんど生じない程度の温度が低い環境下での野外作業では, いずれの雨具も衣服内の温度は低く, とくに腹部は低い。湿度も上昇せず, ほぼ快適な湿度範囲を保っている。5)人工気候室での運動およびその後の安静時において, ポリ塩化ビニル製雨合羽は北欧製レインジャケットより, 発汗はより多く生じるが, 透湿による衣服外への水分排出はより少ないことが確認された。
1996-05-16

林業用雨具の衣服内気候

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