森林作業のための4脚歩行機械の試作
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概要
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本研究で試作された4脚歩行機械は, 重心移動により静的安定を保ちながらの歩行が可能である。各脚は, 股関節と膝関節を有し, 空気圧シリンダにより駆動される。各シリンダの取り付け位置は, 脚先端の可動範囲とシリンダ負荷量の検討により決定された。制御方法は, 膝関節と股関節を順に駆動するシーケンス制御で, 進行方向に対して縦8の字を描くように右後脚から左後脚, 右前脚, 左前脚, 右後脚の順に遊脚し, 進行方向と左右方向への重心移動を行う歩容を使用した。今回行った平坦地歩行実験では, 機体重心の移動軌跡, 機体のロール角とピッチ角を測定した。実験の結果, 機体の平均移動速度は1.11m/min, 機体の最大振れ幅(ロール方向)は8.4cmとなることが明らかになり, ほぼ理論値どおりの結果が得られた。また最大ロール角は14.5°, 最大ピッチ角は4.95°となったが, いずれも重心移動により生じた値で, 歩行全体を通しては, おのおの±5.0°, ±2.0°程度の揺れであり, 安定した歩容であることが確認できた。また歩行の過程で, 空気圧シリンダ固有の負荷による伸縮が生じ, 遊脚が十分に浮き上がらず, 振動や速度低下の原因となる場合も見られた。これらの点は, 現在協調制御の導入や構造の見直しによる対応を検討中であり, 改善可能と考えられる。
- 1993-11-01
著者
-
酒井 秀夫
東京大学大学院農学生命科学研究科
-
田坂 聡明
宇都宮大学農学部森林科学科
-
熊倉 由典
宇都宮大学農学部
-
田坂 聡明
宇都宮大学
-
酒井 秀夫
東京大学農学部
-
熊倉 由典
宇都宮大学農学部森林科学科
-
熊倉 由典
宇都宮大 農
-
越智 士郎
宇都宮大学農学部
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