運転者の生理的反応に基づく林道構造の評価 : 幾何構造評価尺度としての心拍数変動と血圧変動

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概要

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林道の利用が多様化してきているため,より多くの人々がより安全快適に走行できる生理的負担の少ない林道構造の規格範囲を見出さねばならない。運転者の心理的・生理的負担の評価値としての心拍数変動に,最高血圧変動を加えて実験的に検討した。この結果,曲線半径,走行速度と心拍数変動の間には高い相関性があることが改めて確認された。さらに曲線半径,走行速度と最高血圧変動との間に,より特徴的な関連性があることがわかった。すなわち,小半径曲線の区間で高速走行する場合,心拍数より最高血圧の変動に著しい変化が見られた。曲線半径に対する心拍数と最高血圧変動の回帰曲線には明瞭な変曲点は存在しないが20mないし30m付近で曲線の勾配が穏やかになっている。このことは,曲線半径20m以下の小半径曲線は大きな負担を強いることを意味している。今回新たに加えた最高血圧の増加数という評価尺度は,幾何構造要素の関数となる走行速度と関連させて評価を行う上で有効であると判明した。
日本森林学会の論文
1996-11-16

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