林道の幾何構造の評価尺度としての脈圧
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概要
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林道幾何構造を人間工学的に評価する場合,運転者の血圧変動に注目することが有効である。最高血圧に加えて脈圧が心理的影響に関して有効な評価尺度として用いることができる。車両の走行速度が高くなるにつれ,脈圧の変動係数が増加する傾向が認められた。特に小半径の曲線部では,両者の相乗効果も作用して,特に顕著になる。転向方向に関しては,右山回りは左山回りより脈圧の変動係数が常に高くなることが分かった。曲線半径に関しては,半径が小さくなるにつれ,また,走行速度が高くなるに従い,脈圧の変動係数が大きくなる傾向がある。曲線半径20m前後以下の小半径の設定は,脈圧に大きな変化が見られ,心理的に大きな負担を強いることが分かった。このように脈圧は,精神的圧迫に対して鋭敏な反応を示すことから,最高血圧の変動を主たる評価尺度とし,脈圧を精神的負担が強く負荷される条件下に脈圧を補足尺度に使用することで,より高精度の評価が可能になる。
- 応用森林学会の論文
- 1998-03-25
著者
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