自動ベクトル化コンパイラのための制御関係解析法

概要

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自動ベクトル化技術,あるいは自動並列化技術の中では,各種の依存関係解析に関する技術が重要となる.その依存関係は,種々の変数のデータ参照関係に起因するものと,プログラムの制御流れに起因するものとがある.本稿ではこれらの依存関係を解析する際必要となる技術のうち,制御関係解析に関連して3種類の解析方法について述べるこれらの解析は,ベクトル化可能性の判定,およびベクトル実行可能な部分のマスク生成に関する情報抽出等,複雑な制御流れを持つ多重ループのベクトル実行可能な部分のマスクベての手法は,制御の流れに関するこれらの解析を,大域的データフロー解析と同じ枠組の中で,同時に行う特徴を持つ.そのために,大域的データフロー解析の対象とするコントロールフロー・グラフでは,通常採用される基本ブロックから,特に制御の流れの分岐点ならびに合流点を切り分けてそれらを独立した頂点とし,ある仮想的に発生させた定義がどの頂点に到達するか,あるいはある頂点にどの仮想的な定義が到達するかを調査することにより,容易にしかも詳細に制御の流れを解析する.すなわち,詳細なベクトル化を目的とするコンパイラに適したアルゴリズムとなっている.これらのアルゴリズムは,独自に開発した自動ベクトル化コンパイラ中に実現され機能している.
一般社団法人情報処理学会の論文
1989-09-15

自動ベクトル化コンパイラのための制御関係解析法

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