Fusarium phyllophilumによるアロエ紫斑病(新称)
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概要
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1993年10月愛知県渥美郡田原町(渥美半島)において,野外で栽培中のキダチアロエ(Aloe arborescens Mill.)に,紫色の斑点を多数生ずる病害の発生を認めた。病斑部からはFusarium属菌が容易に分離され,これらはキダチアロエに対し,有傷および無傷接種でいずれも強い病原性を示した。培養的性質ならびに形態から本菌をFusarium phyllophilum Nirenberg et O'Donnellと同定した。1994年から1997年までの調査の結果,渥美半島のほか,房総,三浦,紀伊,大隈,薩摩等の各半島においても本病は野外で栽培中のキダチアロエに広く発生が認められた。1998年10月,三浦半島城ヶ島においても多量に分生子を形成する病斑を見いだし,それらから菌を分離して新たに4菌株を得たが,これらもすべてF.phyllophilumと同定された。以上より本病を新病害と認め,アロエ紫斑病(purple spot of Aloe)と呼称することを提案する。
- 日本植物病理学会の論文
- 1999-12-25
著者
-
青木 孝之
農業生物資源研究所 遺伝資源研究グループ
-
岸 國平
農業技術協会
-
古川 聡子
首都大生命
-
岸 國平
(財)農業技術協会
-
古川 聡子
東京都立短期大学
-
古川 聡子
東京都立短大・化学
-
青木 孝之
農業生物資源研
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