初等的な環状経路を用いた匿名通信方式
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概要
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近年コンピュータおよびインターネットの普及により, 莫大な量の情報がネットワークを介して処理されるようになってきている.これにともなって, 意図しない個人情報の流出などが問題となり, プライバシの確保が重要となってきた.そこで, ユーザの匿名性を保護するために様々な研究が行われてきた.しかしながら, 従来方式では暗号化を多重に行うことによるコストが大きくなったり, ブロードキャストを効率的に行うためのネットワークアーキテクチャを必要としたりするという問題があった.そこで, 1999年, 我々は, 環状径路には始点と終点が存在しないという特徴があり, これを利用することで通信の始点(送信者)と終点(受信者)の特定を困難にした匿名通信方式を提案した.この提案方式においては, 通信路情報を暗号化する必要がなくなり, 鍵配送や暗号化と復号にかかるコストを小さくすることができる.本論文では, 提案方式のプロトコルを形式的に定義し, さらに, その安全性と運用に関して評価する.その結果, 経路上の結託者の攻撃に対する安全性はCrowdsとして提案されている従来方式より提案方式の方がつねに高く, 経路長に関してもCrowdsの方式より効率的にできる場合があることを示す.また, 環状経路の運用に関してはメッセージの到達確率について議論し, 提案方式の耐故障性について評価する.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 2000-08-15
著者
-
宮地 充子
北陸先端科学技術大学院大学
-
双紙 正和
北陸先端科学技術大学院大学
-
北澤 繁樹
北陸先端科学技術大学院大学 情報科学研究科
-
長野 悟
北陸先端科学技術大学院大学情報科学研究科:現在 Nttアドバンステクノロジ株式会社
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