ペーパインタフェースによる文書編集システムの基本設計(<特集>人とコンピュータの新しい相互作用系)

概要

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本論文では, ディスプレイおよびキーボード, マウスによらず, 紙をインタフェースとしてコンピュータと対話する方式(以後ペーパインタフェースと呼ぶ)について考察し, この考察に基づいて, 本方式による文書編集システムの検討を行い, その基本設計およびプロトタイプの開発を報告する.ペーパインタフェースによる文書編集システムを実現するためには, 編集すべき文書に手書きで記入された記号や文字を切り出して認識する必要がある.我々は, 文書の方を手書き記号・文字と区別しやすい形で出力すること, すなわち, 編集すべき文章をドット集合(以後ドット文字と呼ぶ)で印刷することを提案する.そして, モルフォロジーによる手法を用いて, ドット文字を消して手書き記号・文字を検出し, ドット文字を強調することで記入した記号とその対象の特定を行う手法を開発した.この手法は, 比較的軽い処理で, ユーザに記入制限を課することなく, また, 特別な色のペン, および, これを読む特別なスキャナなどの使用を前提とすることなく実現できる.そのプロトタイプの開発を行い, 数人のユーザに試行してもらったところ, 紙に訂正を記入して秘書が直してくれる感覚を与え, また, ドット文字による文書は見にくいということもなく, 印象は良いものであった.この方式の定量的な評価, 改良は今後の課題とする.
一般社団法人情報処理学会の論文
2000-05-15

ペーパインタフェースによる文書編集システムの基本設計(<特集>人とコンピュータの新しい相互作用系)

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