輪郭図形の認識のための正則化多角形近似法

概要

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形状認識のための多角形近似とは,先見的知識なしに,与えられた図形のみからその形状表現に適した自然なスケールで近似を行うものと考えられる.現在一般的な多角形近似法ではスケールを前もって指定する必要がある.これは,観察者があらかじめ図形に関する知識をもっていれば良い方法だが,観察者が任意にスケールを指定すると不自然な近似図形が生じてしまう.ここでは画像の性質についての知識は近似に先立っては何もない場合を考える.このとき与えられた図形を表現するに適したスケールは,パラメータを使って指定するのではなく,与えられた図形の中から見つけるべきものである.このような近似法を実現するために正則化の考えに注目した.多角形近似の問題に対する正則化解法とは,与図形と近似図形の適合の評価と,近似図形の形状の単純さの評価の2つの評価の加重和からなる評価関数を最適化することと考えられる.この加重によって近似の程度が変わるが,この最適化解は加重の変化に対して安定な性質をもつことが期待できる.これは,パラメータがスケールを指定しないという上述の目標に合致している.そこでこのような評価関数を最適化することで多角形近似を行った.その結果,近似図形は加重パラメータに対して安定であり,その安定な近似図形は人間の直感にあう自然な形状をもつことが確認された.
一般社団法人情報処理学会の論文
1991-02-15

輪郭図形の認識のための正則化多角形近似法

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