並列オブジェクト指向言語 LGO の故障回復機構
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概要
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分散システムの開発では故障回復のプログラミングが必要であり,ソフトウェアの複雑化の一因となっていた.本論文では,分散Lindaシステムにおける,プログラマによる故障回復のための記述を必要としない,プロセスの故障回復方法について述べている.われわれの方法は,故障によって,動かなくなったプロセスをシステムが自動的に再実行し,プロセスの状態を故障前と全く同一にすることで,故障から回復する方式である.その再実行方式の特徴は,履歴を用いて行うことにある.正しく故障前の状態になるように,再実行の時には,故障前に残しておいた履歴を使用する.この履歴は分散タプルスペース上に残している.再実行をしているプロセスは履歴だけに依存しているので,他のプロセスの状態を知ることも,他のプロセスに影響を与えることもない.したがって,故障からの回復の際には,他のプロセスの状態と矛盾した状態になることはなく,他のプロセスが実行をやり直すこともない.また,タプルスペースの一貫性を保つための通信と同時に,履歴を残すので,通信量が大きく増加することはない.論文中ではLindaをもとにした並列オブジェクト指向言語LGOを用いて,故障回復を説明する.そして,UNIXネットワーク上にLGOの実行システムを実現し,そこでの実験から,履歴を残すことによって,通信コストが大きく増えることがないことを示している.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1994-06-15
著者
-
阿部 茂
三菱電機株式会社 先端技術総合研究所
-
杉本 明
三菱電機(株)人材開発センター
-
杉本 明
三菱電機株式会社産業システム研究所
-
阿部 茂
三菱電機 中研
-
野里 貴仁
三菱電機株式会社 産業システム研究所
-
杉本 明
三菱電機 人材開発セ
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